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2004年 03月 25日

芋焼酎ブームの光と影(黒)

a0002820_4836.jpg「黒麹、瓶仕込み」

これは、いわば芋焼酎の殺し文句の様なモノである。黒麹とは白麹や黄麹と並ぶ焼酎造りには欠かすことが出来ない米の麹菌の一種。昔は殆どの芋焼酎がこの黒麹を使っていたが、黒麹はその名の通り、黒い胞子を飛び散らし蔵中真っ黒に汚してしまう為、白麹が発見されてからはあまり使われていなかった。ただ、インパクトのある香ばしさや、芋の豊かな甘みをより引き出すなど、黒麹ならではの長所も多い。

そして、焼酎ブームが起こるやいなや、話題に上がる芋焼酎は皆この「黒麹」を使用し、瓶に仕込みじっくりと時間を掛けて熟成するといった古式ゆかしい製法で造られており、逆に言うと黒麹を使用していなければ売れないということもあって、今やどの蔵も挙って「黒」一色である。ちなみに、「佐藤」なんかはその「黒」を売りにして有名になった芋焼酎だが、以前にもちょと触れたが、あの「白波」にも「黒」がある。その名も「黒白波」(笑)。思わず突っ込みたくなるネーミングだが、これが結構売れているらしい。先日、行きつけの居酒屋のおやじさんが「最近、白波なかなか手に入らないんよ…。」と言っていたのには正直ビックリした。白波なんて、と言ったら失礼だが、鹿児島人にとっては極々普通の焼酎なのにである。まぁ、折からの「ブーム」と昨年の芋不足が影響しているとはいえ、それはあんまりだ。白波さえ気軽に飲めなくなったら、それ以上に気軽に飲める芋焼酎は他にはないということになる。

あの「森伊蔵」の製造元の社長は、東京で偶々立ち寄った焼酎バーで「森伊蔵」を見つけて、うれしくなり頼もうとしたところ、プレミアムが付いて1杯¥1,800-もすると知って飲むのを止めたそうだ。「確かに評価されるのはうれしいが、この値段では誰もが素直に美味しいと思えないのでは?」みたいなことを言っていた。ごもっともである。もともと芋焼酎は庶民の酒だった筈なのに、市場による大量買い占めなどで値ばかりが高騰していく様を見るのは、鹿児島人としても、焼酎ファンとしてもあまりうれしいことではない。
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by yuuki_takehara | 2004-03-25 04:09 | Syouchu
2004年 02月 27日

『海童』 -濱田酒造、串木野市-

a0002820_231139.jpg今回紹介するのは、真っ赤な一升瓶が美しい、「海童」。鹿児島では住んでいる地域に必ず一つは、焼酎を造っている酒蔵がある。そして、もちろん僕が産まれ育った串木野市(くしきの)にも、当然のことながら酒蔵は存在している。「海童」の濱田酒造はその中の一つ。もともとはお隣り、市来町(いちき)で、古くは明治元年から芋焼酎を醸造している造り酒屋である。
港に面する酒蔵からは、その前を通ると、いつも甘い芋の香りがして、当時まだお酒の味を知らなかった僕も「どんなに旨いんだろう」と想いを巡らせていたものだ。赤い一升瓶は、夕日の色をイメージしているらしい。恐らく、串木野の民謡(くしきのさのさ)に由来すると思われる。東シナ海に沿う串木野の夕日は実に美しく、くしきのさのさにも謡われている。

「ハァ〜、落ちぶれて、袖に涙の掛かるとき、人の心の奥を知る、朝日を拝む人あれど、夕日を拝む人はなし、さのさ」

一見、夕日を軽んじているようにも聞こえるが、僕はそうは捉えていない。現に、地元の漁師達は今日一日無事に送れたことを夕日に感謝して、採れたばかりの魚と焼酎で晩酌する。夕日を拝んでこそ、「人の心の奥を知る」ことが出来るという訳だ。味はとても飲みやすい、すっきりとした芋焼酎。芋初心者向け。
ちなみに、濱田酒造は串木野の大きな酒蔵とは別に、「濱田屋伝兵衛」として、伝統的な焼酎造りを市来町にて続けおり、「薩摩富士」の復刻焼酎、「なゝこ」など名酒を生み出している。
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by yuuki_takehara | 2004-02-27 23:12 | Syouchu
2004年 02月 23日

SYOUCHU

a0002820_234935.jpg焼酎

世は焼酎ブームである。ちょっと前まではワインブームで、芸能人や、にわかセレブ達が挙ってソムリエの資格を取りまくり、日本各地でご当地ワインが町おこしの為に作られていたのに…。もちろん鹿児島出身の僕はブームなんか関係なく、今も昔も変わらず焼酎を飲んでいる。そんな訳で、今さら焼酎について改めて書くことにも気が引けるのだが、最近になって僕が住んでいる山口にまで焼酎Barなんて小洒落たものが出来るし、近所の酒屋に行くと鹿児島でも見たことのない、芋焼酎がシコタマ並んでいたりする。ここまでくりゃ、鹿児島人が焼酎を紹介していくのも面白いかなと。(笑)
さて、前置きが長くなったが写真は先日飲んだ「薩摩 古秘(こひ)」。もちろんはじめて見る銘柄である。醸造元を見ると「雲海酒造」とある。なるほど、ここは元々芋焼酎ではなく「そば焼酎雲海」や、紙パック麦焼酎でおなじみの「いいとも」なんかを造っているところだ。きっと、猫も杓子も芋焼酎なので満を持して造ったに違いない。ラベルなんかも和紙で丁寧に仕上げてある。味はというと、すっきりしてはいるものの、イモの香りが弱く、パンチ不足という意味でイマイチ。初心者向けといったところか。それはその筈、セブンイレブンにまで売っているのだもの(笑)。昔は、鹿児島の他県では「薩摩白波」位しか見なかったのになぁ…。ちなみに、写真右は宮崎の日南生まれ「壺熟」。こちらの方が芋っぽいかな。宮崎産の芋はなかなかオススメですよ!追々、紹介していきますね!
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by yuuki_takehara | 2004-02-23 23:50 | Syouchu